運用コストとは?コストが上昇する理由や削減のポイントを解説

 株式会社エスエーティ

ビジネスに必要なコストは、イニシャルコストと運用コストに大別されます。イニシャルコストはサーバーや設備の購入・システムの導入にかかる「初期費用」で、運用コストはシステムを維持する上で「継続的にかかる費用」を指します。運用コストの増加には様々な要因がありますが、保守費用の増加や運用体制維持に必要な人員や設備の確保なども増加の理由となります。この運用コストを削減するためには、保守費用の最適化や運用業務の自動化、専門業者への外部委託などが有効です。本記事では、運用コストの概要とコストが上昇する理由、コストを削減するポイントについて詳しく解説します。

運用コストとは?コストが上昇する理由や削減のポイントを解説

運用コストとは

始めに、運用コストの内訳と、イニシャルコストと運用コストの違いについて解説します。

運用コストの内訳

運用コストとは、システム運用で必要となる費用全般のことです。運用コストは、大きく分けて下記の4つに分類されます。

運用役務コスト

定常運用、補修・故障対応、ヘルプデスク、管理統制などの対応で発生する費用です。

運用設備系コスト

データセンター費用(自社・外部)、ハードウェア、ソフトウェア製品保守コスト、通信・回線費用、外部サービス利用料(ハウジング、ホスティング、その他利用料)などです。

クラウドサービスコスト

クラウドサービスにかかる費用(導入初期費用、利用料など)です。

開発・保守コスト

一定規模以上、または予算想定外の保守作業などです。

イニシャルコストと運用コストの違い

続いて、イニシャルコストと運用コストの違いについて説明します。

イニシャルコストとは

イニシャルコスト(initial cost)は、サーバーや設備などを購入したり、システムを導入したりする際にかかる費用です。日本語では「初期費用」と訳されます。また、「開発費」や「導入費」と呼ばれることもあります。

イニシャルコストと運用コストの違い

事業を始める際にかかるイニシャルコストに対して、運用の際に継続的に発生する費用のことを「運用コスト」と呼びます。運用コストは「ランニングコスト」とも呼ばれています。

運用コストは、保守費用の増加や運用体制維持に必要な人員や設備の確保などが理由で増加します。運用コストは一時的な出費となるイニシャルコストと違い、システムが稼働する限り継続的にかかるコストになるので、運用コストの増加は会社の経営を圧迫する要因となります。そのため多くの企業では、「いかに運用コストを削減するか」を目標に、さまざまな取り組みを行っています。

運用コストが上昇する主な理由

運用コストはシステムを運用していく上で必ず発生するものであり、機器の状況によって左右されます。ここでは、運用コストが上昇する主な理由について解説します。

メーカーによるサポートが終了し運用コストが上昇する

メーカーによるサポート終了は、運用コストのうちハードウェア・ソフトウェア製品保守のコストを増加させる可能性があります。メーカーからの保守サポートが終了した場合、メーカーによってはサポートを延長することも可能ですが、その場合は保守費用が高額になってしまうでしょう。また、保守サポートに頼らず自社で保守を行おうとすると、保守部材の購入や部品を保管する場所の確保など、自社内で保守体制を維持する必要があり、結果的に運用コスト上昇につながります。

故障や不具合により運用コストが上昇する

故障や不具合による修理やアップデート作業に伴い、運用コストが増加することもあります。

老朽化したシステムを継続して利用していると、エラーや動作の不具合が起きやすく、セキュリティリスクも高まります。故障や不具合の症状が見られた場合は、修理対応やアップデート作業を適宜行う必要があります。

保守契約を結んでいる場合は、毎月決められた保守費を支払って対応してもらうことが可能です。しかし、ランニングコスト削減のために保守契約を結ばず、故障のたびにスポットで保守対応を依頼する場合、機器によっては運用コストの増加につながることもあるため注意が必要です。

スポットでの保守対応は、月ごとに支払う保守費用がない代わりに保守対応1回にかかる費用が高くなるケースが多いです。そのため稼働年数が長い機器の場合は故障率が増加し、保守対応回数も増えるので結果として年間契約するよりも高くつくこともあります。

運用コスト削減のポイント

運用コストを削減できれば、削減したコストを開発費などに回すことができ自社の戦略的IT投資を促進することにつながります。ここでは、運用コスト削減のポイントを解説します。

運用の自動化や外部に委託する

運用業務の自動化や、運用を外部に委託することにより、運用コストを削減できる可能性があります。

システムの運用には、機器の保守・運用費用、システムの改修時におけるメンテナンス費用、システムの運用・保守を行うための人件費など、多大なコストがかかります。

システムの運用業務を自動化することで、運用・保守に関わる人件費の削減が期待できます。また、自社の運用の仕組みや管理体制を改めて見直して、改善するきっかけにもなるでしょう。

また、運用を外部に委託することも運用コストの削減につながるかもしれません。例えば、システムの保守を自社で行うには保守部品の費用や保守人員の確保などの人件費がかかります。こうした業務を専門の業者に委託することで運用にかかる体制維持費などの削減が期待できます。

EOL/EOSL後の機器保守においては第三者保守会社に保守委託するという選択肢も検討できるでしょう。

まとめ

サーバーや設備・システムなどを購入する際にかかる初期費用を「イニシャルコスト」と呼び、システムを継続的に運用する際に発生するコストのことを「運用コスト」と呼びます。

運用コストは、運用役務コスト、運用設備系コスト、クラウドサービスコスト、開発・保守コストなど多岐にわたり、保守費用の増加や運用体制維持に必要な人員や設備の確保なども増加の理由となります。また、ベンダーのサポートが終了してからリプレイスまでの期間内にも上昇していきます。

自社で保守を行う場合も、保守部材の購入や部品を保管する場所の確保が必要なほか、自社内で保守体制を維持しなければならず、多大なコストが発生するおそれがあるでしょう。コストをできるだけ抑えるためには、運用業務の自動化や、外部への委託を検討するのがおすすめです。

SATでは、「第三者保守」のサービスを提供しています。お客様の機器や状況にあわせたプランの提案を行っており、自社で保守運用を継続するよりもコストを削減できる可能性があります。「第三者保守」の導入を検討する際には、SATまでご相談ください。

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