SDGs3「すべての人に健康と福祉を」への取り組みが活発化している中で、どのように取り組むべきか検討している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の概要、日本の現状や政府の取り組み、企業が取り組む意味やSATでの取り組みを紹介しているので、参考にしてください。
SDGs3で掲げられている「すべての人に健康と福祉を」は、あらゆる年齢のすべての人々が健康的な生活を送れるように福祉を促進する取り組みです。SDGs3では、「すべての人が適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」ことを意味するUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)を目指しています。
引用元:https://www.jica.go.jp/aboutoda/sdgs/UHC.html
UHCの実現には、保険医療サービスへアクセスできることと、保険医療サービスの費用が支払い可能な金額であることが必要です。
医療や保険が充実している日本においては、病院に行って治療が受けられるのは当たり前という意識が強いですが、世界ではおよそ半数の人が適切な治療を受けられずにいます。特に、開発途上国ではこの問題が顕著です。原因として、医療従事者や医療機器、医薬品の不足があります。こういった状況により、5歳までに亡くなる子どもの数は、年間におよそ520万人にも上ります。(2019年時点)
また、がんや心筋梗塞、脳卒中、糖尿病など、非感染症疾患(NCDs)によって30歳から69歳で亡くなっている人は世界でおよそ1500万人にも上ります。その内の約85%が低中所得国で暮らす人々です。この状況を受けてSDGsのターゲット3.4では、「非感染性疾患(NCDs)による若年死亡率の減少、精神保健等の促進」を掲げています。達成するには、生活習慣の指導と、病気の早期発見および治療という2段階の予防策に取り組む必要があるでしょう。
日本の医療制度は他国より充実した水準であるものの、「すべての人に健康と福祉を」が優先課題とされている状態です。その理由として、日本の社会構造や人口構成が挙げられます。これらの課題の有効な解決策は、健康寿命を延ばすことです。
日本の医療現場で問題となっているのが、病床数に対して医師の人数が少ないことです。日本の病床数は人口1000人に対し13.1床と、他の先進国と比較して多いものの、医師の人数は人口1000人に対して2.4人にとどまっています。(どちらも2017年時点)
そのため現状では、日本で暮らすすべての人が適切な医療を受けられるというわけではありません。世界に目を向けると、人口比で日本の2倍の医師がいる国も少なくなく、医師の人員確保が課題となっています。
少子高齢化が進む日本においては、医療の需要と供給のバランスが崩れることが懸念されています。医療を必要とする高齢者が増加することによって需要が高まるものの、それを支える若い世代の医療従事者が不足するかもしれないからです。なかには、人手不足により運営が困難となる病院が出たり、どこにも受け入れてもらえない患者が増えたりすることもあるでしょう。また、医療従事者の業務負担もこれまで以上に大きくなるとみられています。
少子化と高齢化が同時進行することで、働き手が不足し医療制度を維持できなくなるおそれもあります。医療を必要とする高齢者は増加する一方で若い世代は減少するため、社会保険料が増額されて若い世代一人ひとりの負担が増加することが予想されているのです。
これらの問題を解決するには、単なる寿命ではなく健康に生活できる「健康寿命」を延ばすことが重要です。なぜなら、健康寿命が延びることで、働ける年齢も上がり、社会保険料を担う人口の減少をおさえられからです。また、健康な高齢者が増えると、高齢者の医療ニーズも下がり、医療現場における需要と供給のバランスの回復が期待できます。
日本政府による取り組みとして、以下のようなものが挙げられます。
SDGs3の「すべての人に健康と福祉を」に取り組むことは、企業にとってもメリットがあります。特に以下の3点が挙げられます。
SATにおいても、SDGs3「すべての人に健康と福祉を」に関する取り組みを実践しています。具体的には次のような取り組みです。
また、衛生委員会の活動の中で、運動習慣促進や疾病予防のための取り組みを行っています。在宅勤務中の30分ストレッチ動画の配信やストレッチセミナーの開催、ポスターなどによる健康促進の啓蒙などの活動により、健康経営を推進しています。
こうした活動の結果、SATは2019年12月に健康企業宣言を行い、協会けんぽより健康優良企業「銀の認定」を獲得し、2021年には東京都スポーツ推進企業に認定されました。
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」は、あらゆる年齢のすべての人々が健康的な生活を送れるように福祉を促進する取り組みです。医療の充実している日本においても、少子高齢化の傾向を踏まえて、「すべての人に健康と福祉を」が優先課題に挙げられています。解決には健康寿命を延ばすことが重要なので、日本政府は個人や企業に健康への取り組みを強化するよう、認定制度の創設などにより促しています。
SATでは、健康管理アプリの導入や動画配信など従業員が健康に過ごせるようにさまざまな活動を行っており、第三者機関による認定を受けています。